ブラック企業体験記~建設会社編 当然ながら残業代は無し~

ブラック建設会社 皆のブラック企業体験記

車内が濡れたから高級外車を乗り換える

筆者が平成18年から平成23年まで務めていた建設会社は、関西を拠点とする絵に描いたような零細企業でした。
ワンマン社長の気分次第で全てが決まると言っても過言ではありませんでした。

残業手当は出ずに昼勤夜勤ぶっ通し

まず残業手当はありませんでしたし、土曜日曜も現場があれば出勤するのが当たり前でした。
昼間に8時間働いた後、そのままぶっ通しで夜間作業に入る事もありました。

売り上げは伸びるが、ボーナスなど出るわけがない

「忙しい、忙しい。仕事が忙しくて休む暇がない」と言うのが社長の口癖でした。
実際、私たち社員も休む暇がないほど忙しかったのは事実です。

これだけ忙しいのだからさぞや売り上げは伸びている事だろう、これはボーナスが期待できるぞ、とボーナスの時期になると毎回思っていたのですが結局この会社に在籍している間にボーナスを支給してもらったことは一度もありませんでした。

そういえば、ボーナス時期が近づくと決まって「ああ、売り上げが伸びんわ」と聞こえよがしに言うのも社長の口癖でした。

車内が濡れたから高級外車を乗り換える

自分ではベンツのGクラス(いわゆる「ゲレンデ」)という4輪駆動の車を乗り回していました。

「ゲレンデ」には社長の性格を表すエピソードがありまして、にわか雨が降った日の事でした。

会社の駐車場に社長のゲレンデが駐車していたのですが、その「ゲレンデ」のサンルーフが開けっぱなしになっていて車内が雨で水浸しになってしまいました。
こうなった場合、一般常識だと「タオル等で車内に入ってきた雨水を拭く」ですよね。タオルで拭けば何の問題もありませんよね。

しかし、この社長は我々の斜め上を行く行動に出ました。
何と、「濡れたゲレンデを処分して新車のゲレンデを買い直した」のです。
これには我々社員一同、開いた口が塞がりませんでした。

あれだけ普段から散々「売り上げが伸びん、ボーナスを払ってやりたいけど払う事ができんわ」と言っておきながら自分の車には大金をポンと出すその根性。

ちなみに、初代ゲレンデも2代目ゲレンデも会社の経費で購入していました。
車には惜しげもなくお金をかけるのに、我々社員にはお金を惜しむ、と言うシワい社長でした。

儲かってないけど高級外車を3台購入

また、平成19年ごろですが大口のお客様(仮にA社とします)が首都圏に支店を構えられたので我が社もA社様の首都圏での工事をお手伝いすべく同じように東京に支店を出しました。

そこで社長がとった行動が、これまた常識では考えられない事でして何と東京支店用にもう1台ゲレンデを購入したのです。
つまり関西の本店に2代目のゲレンデが1台、新しく進出した東京支店にゲレンデが1台、と言う状況です。

「儲かってない、儲かってない」と言いながら随分な派手な買い物をしているものです。
しかし、我々社員に対してはボーナスは一切支給してくれませんでした。

出張手当がもらえることを期待して

残業手当がつかない、と言うことは先に書いたとおりですがその他の手当て類についても大変悔しい思いをした事がありました。

ワンマン社長の会社ではありましたが「内規」と言うものが書類として存在していおり、そこには会社の所在場所を中心に直線距離で80kmを超える場所へ行くと「出張手当て」として1日につき3,000円が支給される、と明記されていました。

ある時、私が担当した現場が会社から直線距離で85kmほどの場所になり工期が2ヶ月ほどでしたので「しめしめ、これは出張手当がガッツリもらえるぞ」と内心密かに喜んでおりました。

書き換えられた内規

着工から2ヶ月後、無事に工事も完了し事後の処理も全て済んで「さあ、立て替えて支払った分を精算するぞ」となった時、当然ですが出張手当も同時に申請しました。

数日後、経理を担当していた女性社員から「精算額を口座に振り込んでおきました」と言う連絡が入り、ウキウキ気分で振り込みを確認したところ出張手当の分が全く振り込まれていなかったのです。
「これは何かの間違いだろう」と思い経理の女性社員に確認の電話を入れたところ、驚愕の事実を聞かされました。

「出張手当は事務所からの直線距離が100kmを超える場合に支給する、と内規を変更したからな、と社長に言われたんです」

これを聞いた私は慌てて社長に電話して直接確認いたしました。
すると社長は「おお、その通りや。内規は俺の権限でいつでも勝手に変える事ができる、とも書いているやろ。
せやから俺がついこの前、変更したんや。
え?お前85kmくらいのところで現場持ってたんか、それやったらもう少し早く言ってくれたら内規の変更を待ってやったのに、残念やの」
と言ってきたのです。

私が事務所からの直線距離が85kmくらいの場所で現場を持っていることは百も承知のはずなのに、知らぬフリまでして出張手当の支給を渋るとは、つくづく情けない経営者だなと思いました。

辞める決意か倒産か

こりゃ、エラいところに就職してしまった、と後悔しきりで頭の中は「次の就職先はどこにしようか」と言うことでいっぱいでした。
愛社精神なんてこれっぽっちも湧き出てきませんでした。

そうしているうちに、この会社は東日本大震災の年の8月に倒産しました。
倒産前の6月ころから給料の遅延が始まりました。
社長は「8月X日(日付を書くと特定されますのであえて伏せています)には6月と7月の給料全額を耳を揃えて支払う。
だから何とか頑張って働いてくれ」と言っていました。

倒産 ~支払われない給料~

が、その社長が「支払う」と言っていた8月X日の朝、会社が倒産しました。

事務所の玄関に弁護士の記名入りで「建物に何人たりとも入るな」的な張り紙が出されていたのです。
弁護士まで巻き込んでこのような張り紙を貼ると言うことは、早くから弁護士とも協議を重ねていたに違いありません。
つまり社長は8月X日には会社を潰す計画でいたのでしょう。
にも関わらずその8月X日に給料全額を耳を揃えて払う、と言って社員を最後まで騙して働かせていたわけです。

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